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松浦の殿様と御浜御殿綱豊卿

昨日28日の会談で、輿石幹事長は社会保障と税一体改革法案の再修正を小沢元代表に提示したとされますが、藤村官房長官は「3党合意した法案の修正には慎重」との会見発言です。小沢元代表は「消費税増税法案の骨格が変わらなければ、離党新党結成に踏み切る意向」を周囲に示し、其の先には「内閣不信任案提出」のカードが存在します。増税法案の賛成討論において、自公は「増税法案においては賛成する。」が、「民主党のマニフェスト破りを指弾する。」と舌鋒は鋭どい。

小沢新党の設立と内閣不信任案提出・可決で、衆院解散・総選挙が現実味を帯びてきました。この流れは、小沢氏が1993年の宮沢内閣不信任案に賛成して可決・自民党離党し、新生党を44人で結成した歴史に重なっていきます。8会派の非自民細川連立政権を19年経てリアルタイムで視られるのかな・あの頃は、子育てに追われ体調も人生の最悪期で、辛かった覚えがある。

仮名手本忠臣蔵を取り上げましたが、これは人気演目で外伝が数話あります。うち1話「松浦の太鼓」は、討ち入った本所松坂町・高家吉良の隣の旗本屋敷、赤穂浅野家に同情的な松浦の殿様(史実は旗本寄り合い3000石土屋主税)が、討ち入りを今か今かと待ちわびていたところ、山鹿素行軍学の同門である大石内蔵助の打ち鳴らす山鹿流陣太鼓が辺りに響き渡り、松浦候は討ち入りを我がことのように喜び、自家と隣家の境界の塀に提灯を掲げ、浪士の手元を照らす・という筋です。浪士の一人、大高源吾(俳号・子葉)が、前夜、俳偕の師宝井其角に両国橋の袂で出会い、其角が向けた上の句「年の瀬や 水の流れと 人の身は」に、「明日またるる その宝船」と下の句を詠みます。松浦の殿様は其角から其の事を聞き喜んでおるところに、討ち入りを知らせる山鹿流陣太鼓が聞こえてくる、と明るい愛でたい劇です。

もう1話、真山青果の新歌舞伎「御浜御殿綱豊卿」では、5代将軍綱吉の兄の子・甲府綱豊卿が浜松町の御浜御殿で、お喜世(後に7代将軍の生母・月光院)の身元引受人の兄・赤穂浪士富森助右衛門(とみのもりすけうえもん)と、「討ち入りするや否や」その真意を確かめんとえんえんと問答します。吉良の顔を確かめようと、富森助右衛門は今夜の観能の宴の客を間近に見られる場所で、思わず刀を抜きそうな衝動にかられるが、能面を付けて現れたのは実は、綱豊卿で短慮を諌める。ちなみに綱豊卿の演じる御能は仇討ち物「望月」。

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右上・能装束の甲府綱豊卿を演じる片岡仁左衛門

赤穂浪士討ち入りエピソードを扱う作品は、数多くあります。庶民に愛されたが故でしょうが、今回の政局、時代は1702年(元禄15年)から310年、実は多くのエピソード・人間ドラマを内包して進行しているのだろうな、と思えます。
   
       
               

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初夏の宵・真の政権交代か

 26日午後、消費増税法案は賛成363票・反対96票〈民主党内反対票57票〉欠席・棄権19票で可決されました。54名を超える造反は、民主党の少数与党転落への一里塚になります。法案の修正協議を経て可決に賛同した自民党の石原幹事長、公明党井上幹事長ともに、民主党の政策決定過程の未熟さ・ガバナンスの無さをあげつらう(と話を置き換えていますが、そもそも、マニフェストと逆の政策に邁進した野田執行部の異様さこそ糾弾されてしかるべきものですが、)異例の会見となりました。自公と一体化し翼賛政党として生き残ろうとした民主党執行部の先行きは、覚束ないことこの上なく・不信任案可決の予兆さえはらみながら、次なる小沢新党の設立にステージは移った、と思うそばから
 新たなニュース「党に残り民主党の再生に力を尽くす」との小沢元代表の言葉が、日経新聞電子版に掲載されました。では、消費増税は平成26年4月に8% 、平成27年10月に10%へと施行されるのだろうか?「増税の前にやるべき事がある」と小沢氏は言い続けたが・。ステージは秋の民主党代表戦での、消費増税法案可決に「政治生命をかけた」と言い続けた野田さんの退陣と、政権交代の真の主役・小沢一郎氏という真打の登場へと移行するのだろうか。
 赤穂義士の首魁大石内蔵助は、事を運ぶに慎重なる事・同志の意思確認血判状をしたためるに3度を要している。2009年自民党下野から2年10ヶ月を経て、政権交代の本道に立ち返る道筋が切り開かれたなら、それはそれでおおいに喜ばしいことです。
追記;その後、21:43 の日経電子版に小沢元代表「党にしばらくは残って力を尽くそう。近いうちにその先の判断をしなくてはならない。」と発言要旨の記事が載りました。新党結成の選択肢は存在し続けているということです。


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「仮名手本忠臣蔵」に見る人間ドラマ

政策を巡り政局になっている。26日の消費税増税法案採決に反対票を投じることを表明した、小沢元代表に離党届を預けた同志の議員の人数は50人に迫る。某ブログ〈「世相を斬る」 あいば達也氏〉には、小沢グループを装いつつ、会合に出席せず態度表明していない議員(あるいは、何らかの理由で態度を表明しないままでいる?)が37名いた。民主党を過半数割れに追い込むことができる、離党54人の数字の寸止めで増税法案採決を思い留まらせようということだろうか?49名プラス?名の全員が反対票を投じる意思を鮮明にしたら、執行部は切り崩しに一人ひとりを狙い打ちにするだろうし、さらに考えを進めると、自公ないし小沢派が内閣不信任案を出すなら可決ラインに届くという事実が迫ってくる。自民党の安部元首相と茂木政調会長の発言が、その選択肢を裏打ちしている。

小沢派同士49名血判状?の取りまとめの報道を読みながら、江戸元禄の義挙・赤穂義士47名の討ち入り事件を扱った狂言「仮名手本忠臣蔵」(鎌倉時代の設定・赤穂藩浅野長矩は塩冶判官・敵方の高家吉良は高師直・大石内蔵助は大星由良の助)写真入り歌舞伎辞典を読み返していた。作品のテーマはより人間ドラマが主体となり
 1話 死にいく塩冶判官が無念の思いを大星由良の助に託し、義盟の同志総勢四十七士が仇討ちへと展開する。
 2話 判官の近習小姓でありながら、許婚お軽と共に、血盟を抜け東海道をお軽の里・京都へと向かう早野勘平〈この場面は「4段目道行旅路の花婿ー落人」といわれ、清元(上方の伴奏・語りの義太夫・竹元が江戸において、音曲へと変身した柔らかな歌曲のBGM)の舞踊劇〉
義経千本桜道行2
「道行旅路の花婿ー落人」勘平とお軽

舞台は暗転し、勘平が義挙に加わりたさに50両の盗みを働き、其の金が実は婿の義挙の為に舅が用立てた、娘お軽を遊里に売った金であった。勘平はそれを盗った盗賊をいのししと勘違いし、暗闇で撃ったのであるが、自らが舅を撃ったと勘違いし苦悩し切腹する。(モデルは近習小姓・萱野三平 討ち入りと再仕官の板ばさみで切腹した。)

3話 刃傷に及んだ塩冶判官を背後から羽交い絞めにして押し留めた、判官の同僚桃井若狭助の家老・加古川本蔵の娘・小浪と、御取り潰しにあった、故塩冶判官の家老・由良の助の息子・大星力弥の討ち入り直前の婚礼 大星家は加古川家との婚礼を許さないが、哀れな娘への父の情で本蔵は自害して詫び婚礼となる・・この母と娘が山科閑居を目指し、東海道を下る「8段目:道行旅路の嫁入」は、「4段目・道行旅路の花婿ー落人」と対を成す舞踊劇

勘平・お軽の悲劇と力弥・小浪のしばしの幸福劇やがて悲劇の横糸が、縦糸の男達の骨太な本懐討ち入り劇に織り込まれ、瀟洒な生地織物になっている。

「仮名手本忠臣蔵」が、前回・前々回に書いた他の2話の時代物「菅原伝授手習い鑑」「義経千本桜」と異なるのは、後者は遠い過去の話で、義経の悲劇も天神様菅原氏の悲劇も寧ろ美しい絵巻物になっているが、元禄15年12月14日の吉良邸討ち入り事件は、時事問題の最たるものであった。この討ち入りは、くしくも、47士にあやかるごとく、47年後に歌舞伎狂言になり上演されている。政道批判にまつわる出版・興行はタブーだった時代、47年を経て江戸庶民は熱狂的にこの芝居を受け入れ酔いしれました。

松緑、梅幸追悼、仮名手本忠臣蔵
   仮名手本忠臣蔵 

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4半世紀経て熱い小沢現象

国会は、22日、民自公3党合意に基づき、社会保障と税一体改革関連法案の審議に入り、社会保障と税一体改革関連法案の採決に、反対の意向を表明した小沢元民主党代表とそのグループは、離党届を取りまとめその数はおよそ50人、参議院の小沢グループでも、同様の動きが出ている。
 
今から4半世紀前、1987年、ベビーカーを押しながら、芝増上寺に出かけた折、隣接する東京プリンスホテルとの境の道に、黒塗りの車が並び、ホテルのスピーカーがひっきりなしに財界人と政治家の名前を呼び上げていた。何事だろうといぶかしみ、翌朝目にした全国紙の朝刊には、「経世会旗揚げ」と、1面に大文字で書かれた記事。議員辞職した田中元首相が現役時代より、派閥オーナーとして権力を持ち、人事を掌握していた時勢に、派閥の弊害を憂いその若返りと政治の刷新を図ろうと、派閥の会派内会派「創生会」から飛び出し、新会派「経世会」を結成、理念と強い意志と腕っ節で、あるべき政治の姿を追い求めた小沢一郎氏は弱冠45歳。当時、国会は衆参のねじれから、法案を通すに与党自民党は苦しみ、内閣官房副長官の小沢氏が、PKO法案を持ち前の手腕と粘りで公明党を引き込み、法案通過させ、緻密にダイナミックに政治の表舞台で活躍していた。(記憶に間違いなければ)

正直申し、私は、1993年に、小沢氏が自民党離党した折には、〈離党せずに与党内での穏当な改革〉を願いました。が、その後、ネット社会に時代が移行し情報が溢れ出し、当時の与野党の馴れ合いの国会対策(野党に金品を送るなど)の実態を知り、「無理からざる事だったのか、でも、離党は宮沢内閣不信任決議案に賛成しない新党さきがけに遅れをとるな・という勢いからのもの」という記事を読み「ものには時の勢いがあるからな」と、苦しい納得をした覚えがあります。

当時の私の不安を裏打ちするように、その後の政治足跡は2000年以降は波乱に満ちたものになりました。2000年政権から離脱する際の自由党と保守党の分裂、2003年自由党の民主党への合併、2006年の偽メール事件による、あえて〈火中の栗を拾う〉と形容された民主党代表就任、この苦難を乗り越え、2007年参議院選勝利しながら、その後はマスコミの報道は偏向し、様々な組織の数々の妨害が連鎖して畳み掛ける様に氏を襲っているのが、現況です。理念持つ力ある政治家が執拗に攻撃を受け国のために安んじて働けないという事情は、世界に目を向ければ特殊事象ではないのでしょうが・。

菅原伝授手習鑑松王丸梅王桜丸
(左)桜丸 (中)梅王丸 (左上)菅公
           (左下)松王丸

時代物狂言に菅原道真公を描いた「菅原伝授手習鑑」(すがわらでんじゅてならいかがみ)があります。三つ子の兄弟の梅王丸は、菅公の舎人で大宰府に主人の共をする・松王丸は菅公を讒言した敵方の藤原時平の舎人ですが、都に匿われている菅公の御子を助ける為、首実検にわが子の首を差し出す〈悪人と思われた者が実は善人だった・という、歌舞伎では見現しといわれる仕掛け〉 末の桜丸はそれ以前にある事情から自害している。

その折の、松王丸の和歌が
 梅は飛び 桜は枯れる この春に などて松のみ のどけかるらむ

松王丸、片岡愛之助
片岡愛之助の演ずる松王丸

現代の私達の気持ちと人情の部分で相容れるものがあります。(無論、我が子の命云々は論外ですが、師弟の厚い信頼や、義や信念といった心のコアな部分に胸が熱くなる。)
 
学者で重用された政治家は、他にも数多く歴史に名を残します。ひ弱で人情に疎かったやもしれぬ、学者政治家と同列に論じるのは筋違いですが、小沢氏の場合、4半世紀を経て変わらず仲間を引き付け共に行動をさせうる、現代ではニコ動画などを通じ若者に政治への参加意識を抱かせる、その魅力ある人物像に、歴史の審判を経て国民の意識に生きる先人達に通じるものを感じます。


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消費税増税法案採決へ

18日、消費税増税法案修正協議の党内了承を取り付ける為の、民主党の政策調査会合同会合が紛糾して結論は持ちこされました。21日予定の採決では、190人以上が造反しないと、可決されてしまうそうです。小沢Gから除名覚悟で反対票を投じる、信念揺ぎ無き強者は50名弱・・鳩山G20名(内、?名)・・新党きずな9名・・新党大地・真民主3名・・・・計80名弱にみんなの党5名を加え・・共産党9名・・社民党6名・・新党日本1名・・合計100名位が反対に回るのでしょうか?中間派は毎度のこと、腰砕けになりますでしょうし・・

ここにきて小沢Gと、みんなの党・大阪維新の会の連携も現実味を帯びてきました。ここのところ国政への進出トーンダウンの大阪橋下市長も、政策を同じくする勢力と連携して国政進出へ再び舵を切る意欲を語っています。

しかし、1票の格差の是正もせずに総選挙をしたら、憲法99条違反になります。民主党は、選挙区を0増5減案に比例代表は現180議席から50削減し、一部連用制導入を提案したそうで、公明党はこれを評価、民主党内は反発とか、是が決まらなければ総選挙は行えないはずなのに、谷垣総裁は解散をひたすら唱え続ける・・政治家の皆さんが、昔の自民党5大派閥の頃と違い、とても身近に普通の人に感じられる昨今です。(それでいいのだろうけど)

海の向こうでは、G20開催国メキシコがTPPへの参加協議を認められたという事です。カナダ・日本に先んじました。そうこうしているところへ、ユーロ離脱せずの結論が良いのか悪いのか判断付かぬギリシャ、より深刻なスペイン金融危機は、破綻しそうなバンキアへの融資は1000億ユーロ、そのあおりもあり、ブラジルレアルは値崩れしだし、2016年のオリンピックまでには、ブラジル景気も持ち直すだろうか?・・EURO不安は南米に飛び火しまさに、21世紀は世界はグローバル時代です。
 

江戸期、天下の台所と言われ、商家の多い上方(大阪)狂言では、身を持ち崩した大店の息子や手代がしばしば登場します。近松門左衛門作の「曽根崎心中」「恋飛脚大和往来」「心中天網島」「心中宵庚申」「女殺油地獄」等々は、遊女に惚れさりとて浮世の義理も果たさずばならずで、切羽詰まって来世では一緒になろうと心中に到る、という筋立が主です。作品は当たり心中が市中に流行り、江戸幕府が「相対死禁止令」(あいたいじに禁止令)を発布したほどでした。

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「曽根崎心中」の天満屋の遊女「お初」と醤油屋の手代「徳兵衛」

理念思えども、浮世の条理(既得権側)逆らい難く 矢尽き刀折れ 落選のみぎり 思うことは 「守っておけばよかった マニフェスト」 上方が選挙区の民主党の要職のFさん・労組のHさん・代表選で名をあげたTさん、肝に銘じて下さいね。


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吉野桜と悲劇の武将

野田佳彦首相がメキシコに出発いたしました。
環太平洋戦略的経済連携協定〈TPP〉を推進するために、米国では、民間企業連合が作られ、24の作業部会により、オバマ政権にさまざまな要求を行っているとのことです。金融・通信・建設・航空機製造・物流サービス・飲料・医薬品・保険・小売業・メディア・農業系団体等々・・コーラ飲料飲むのも、風邪ひいてタミフル処方されるのも、箱庭にナスの種蒔くのも(茄子の苗植えるのも)「これはTPP戦略の一環なんだ・・」などど、庶民が妙に自覚する日が来るのだろうか・・?と、思っておりましたが、さにあらず

2012年6月6日 日米協議は、互いの国内事情が足枷となりTPPの優先順位が低下し交渉は停滞した。故に、
2012年6月18~19日 メキシコG20では、TPP参加見送りとなるでしょう。私たちの生活には、医療の自由診療化・食品の安全性・食品材料の遺伝子組み換え技術の応用とか、そちらも影響大きい分野です。国会議員210人超がTPPに反対しています。この流れは是とすべきでしょう。

さて、3党の修正協議なった消費税増税法案は、民主党内の了承で大揉めするでしょうが、「21日迄の日程で採決を」と、自公両党・立ち上がれ日本は言ってます。民主党は党内了承手続きは揉めるのは明白ですので、樽床幹事長代行が採決日程の名言を避けています。政権復帰が目的の自民党は、大連立を望んでいるのでしょう。そして来るべき総選挙では、民主党の変節公約違反を攻めてくるでしょう。国民の7割が反対した消費税増税法案は、採決日程の攻防という新たなステージに移行しました。手段も知らず、手勢も持たずの理念喪失の民主党執行部と、〈国民の生活が第一〉を掲げる反主流派のせめぎあいを注視しながら、ふと800有余年昔の吉野山中が重ね合わされました。

先日、雨模様のなか、花菖蒲が咲く池を観ながら、2ヶ月前の桜の花見を思い出していました。王子飛鳥山の桜は江戸期に8代将軍吉宗公が、故郷紀州の桜を懐かしんで植えられたものです。吉野の上中下千本の桜を観た折りに、南北朝の争乱で、南朝を支える武将でもあった後醍醐天皇第2皇子大塔宮が、人質として鎌倉に送られ、土牢に入れられ誅殺された悲劇が、花菖蒲の群生する池を眺めながら思われました。南朝は大塔宮を内紛で鎌倉送りにした報いを受けるように衰退し、後醍醐天皇の薨去後、北朝に統一されます。

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(狐の化けた)佐藤忠信・尾上菊五郎と 静御前・尾上菊之助

歌舞伎狂言時代物に、「義経千本桜」があります。その1幕の「吉野山」静御前が家来佐藤忠信とともに、義経の後を追い吉野山山中を行く舞踊劇です。爛漫と桜咲き零れる吉野山を行く二人の道行きが、男雛女雛の様に、ただひたすら静謐にして艶やかに美しい・・判官贔屓という言葉を生んだ義経の悲劇と、時代が下って南北朝争乱の悲劇の象徴ともなった大塔宮の不幸を重ね合わせて、群生する花菖蒲を眺めていました。


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家の芸の維持 VS 政策の堅持

世情は消費税増税か否かで大揺れしている。反対理由として至極もっともなのが

1 マニフェスト・「約束」違反 2009年の3党連立政権合意書に5%据え置きと明言している。

2 日本の金融資産残高は対GDP比80%以上・欧米・OECD諸国と比肩しても余裕あり、緊急性が低い。

3 社会保障と税の一体改革法案の修正協議では、最低保障年金の創設は限りなく撤回に近い。後期高齢者医療制度の廃止法案の提出にこだわらない;棚上げ容認、など、政策がどんどん後退しています。国民に優しい政治を、という原点を忘れたら、政権交代の意義は薄れる。この2年9カ月は時間の空費と結論付けされてしまう。そうなってはほしくない。

桜姫
お家再興を願う、桜姫と弟の松若丸

前回書いた4世鶴屋南北の狂言に「桜姫東文章」があります。桜姫の波乱万丈のお家再興物語・2004年7月に歌舞伎座で、坂東玉三郎が市川猿之助一門を率いて演じています。作品の出来は出色、玉三郎の一代の芸の成熟を目の当たりに観る思いと、劇評家に書かれた舞台です。この猿之助さんが病に倒れ、一門の行く末に気を揉んでもおりました。
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坂東玉三郎の桜姫

この桜姫の舞台で出色の出来を示した、国立劇場研修生から出立した市川段治郎は、この後見かけなくなりました。出来過ぎゆえに干されたのだろうか?心配したものです。(段次郎は、2011年11月2代目市川月乃助を襲名)

亀次郎さんが猿之助を襲名なさり、実力ある役者を起用なさって、沢潟屋の芸を継承なさって高めて頂きたい。家の芸の後退は観客には残念なもの、どうにか維持したいと歯噛みします。

組織・政党の存在意義にも通じる様な気がします。存在意義を不確かならしめる、家の芸の後退も、理念喪失した政策の後退もあってほしくないもの。本日、6月14日夕18時憲政記念館において「消費増税採決に反対する国民会議」が開かれますが、採決が阻止されることを願い、足を運ぼうと思っています。さあ、家事を片付けよう。


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襲名興行とつれづれ日記

6月、新橋演舞場で、市川猿之助・中車の襲名興行がおこなわれている。夜の部の演目ヤマトタケルは1度観たきり。歌舞伎の歌である、下座音楽の三味線・鉦と太鼓がない。明治以降に作られた、岡本綺堂・真山青果の新歌舞伎といわれる分野の台詞劇より、更に、異質な演劇。仕掛けが多く、いわゆるケレン味の多い舞台となる。(注釈;ケレンとは、軽業的なものと手品的なものがあり、道具に仕掛けを工夫してあっと驚かせる演出。舞台のせり上がりや、屋台崩し、宙乗り、役者の早替わりや衣裳の引き抜きも含む)市川猿之助はケレンを離れて正攻法でも観客を感銘させ得た役者だから、ぜひとも、息子さんである中車には、踊りと義太夫にも精進されて沢潟屋(おもだかや)の継承をして頂きたい・というのが、おおかたのファンの願い。人気者で芸境著しい飛躍の亀治郎さんが猿之助を襲名され、猿之助は猿翁を襲名される。もう1人、お孫さんも。
 
10年以前に観た片岡仁左衛門(以前の孝夫)の舞踊「保名」では、恋人榊の前(さかきのまえ)に死なれ、長袴を引き摺り、紫の病鉢巻を巻いた保名が恋人の小袖を持って、野原で踊る様は、丁度、病が癒えたばかりの仁左衛門さんの現実と重なっていたが、この四月、国立劇場での仁左衛門主演の狂言「絵本合法衢」(えほんがっぽうがつじ)では、痛々しいほど細かった体躯に肉付きが増し、振り絞るようだった声の声量が増し、安堵して観客はその豊かな芸を堪能できた。

安名
片岡仁左衛門の演ずる気狂いの「安部保名」

文化文政期の4世鶴屋南北の狂言は、冷酷非情なお武家と瓜二つの立場(宿場と宿場の中間にあった町)の無頼漢が軸で、お家乗っ取りの陰謀と、仇打ちのストーリーが展開する。大輪の悪の華が咲く・としばしば形容される、鶴屋南北の世界は、庶民の哀歓をおりこんでサスペンス仕立てで人気が高い。殺人が次々と行われ、結局悪が勝つのかと、ハラハラしつつ思わせるが、終幕にはどんでん返しで善が勝ち、めでたく幕を閉じる。祝祭劇だが、退廃的な文化文政期の雰囲気をよくあらわしている。

写真 (96)
国立劇場4月興行片岡仁左衛門の「絵本合法衢」

文化文政期の世情は退廃的、庶民は刹那的、強者と弱者に二分された格差社会、為政者(役人)の国家意識の俺おれ性とか、現代ともかぶっているような気がします。いえ、やはり人間が変わらないのだと思い返された。気候変動があるサイクルで繰り返されるように、人間の意識も、それが織りなす社会も繰り返されるのだろうかと、思いつつ、つれづれ日記を書き綴っていこうと思います。皆様、ご訪問くださいませ。
        
 
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Author:imagica
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趣味 散歩と文楽と歌舞伎
文楽歌舞伎狂言の非日常性に昇華された人間性を感じます。日々のつれづれを 舞台に投影したり政治に絡めたりして書いています。

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