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犬の霊と女の怨霊の話”八犬伝”       



10月9日
”竹鶴ピュアモルト”

NHK朝のTV小説"まっさん"の作った国産初のウィスキー(ニッカですね)
上野広小路の寿司屋で50ml瓶が540円10月一杯の特価で、旬の秋刀魚の握りに
カラスカレイのエンガワに、身の厚い北寄貝の握りをつまみに頂く。
馥郁たる薫りがして、味はまったり厚みのある味でとても美味しい。

ピュアモルトは極少量しか作れない、
ウィスキーメーカーは、これを薄めて混ぜ物をして売るのだそうですが、
ニッカよりサントリーが現在はメジャーなメーカーで、

サントリーは海軍に納入して、販路開拓したのが後々に迄、功を奏した様で、
戦時下でも、海軍納入業者なら、原材料確保にも融通性あったのか、
ニッカよりメジャーな企業に成長する。世の中、寝ずの研究して
作った優れものが得る対価は、売込み方次第という・・そこが切ない。


青色発光ダイオードでノーベル物理学賞を受賞した
”語るも涙の開発課時代 装置は自作、部材は再利用
中村修二の青色LED開発物語(上)”

     日本経済新聞電子版より引用 2014/10/10 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78142840Y4A001C1000000/




10月11日
”南総里見八犬伝”の読本・長唄・常磐津・新内・筑前琵琶を国立劇場小劇場で聴く

新内が良い、声に艶があり、歌声も節回しに微妙な強弱ビブラートがきいて、
音楽性が高く出色の出来、大向こう(劇場の3階の通の通う席)から声が掛かる。

筑前琵琶は澄んだ清明な音色で雰囲気アリアリで良い、音量は意外に小さい。
 写真(右)新内岡本宮之助 (左)筑前琵琶奥村旭緑


里見義実(よしざね)が敵の首を持ってきたら娘の伏姫を嫁にやると言い、犬の八房がそうしたが為、伏姫は八房と山中の洞窟に暮らす事になる、南総里見八犬伝・!
将軍足利家に抗した里見家は、戦いに敗け潰されます。そして・・

伏姫の胎内に宿った8つの球が空中で弾けて飛んで、8人の剣士が誕生、
里見家再興の為に獅子奮迅の活躍をする。

犬の八房の霊から誕生した八犬士と、殺された逆臣の妻玉梓(たまずさ)の怨霊の話
ただ、その犬士が活躍する話は殆ど知られてないんですね。
剣士の名前くらいで・・独立した活劇短編みたいな扱いです。

 
    犬山道節・忠           犬坂毛野・智
  
    犬江親兵衛・仁          犬村大角・礼
  
    犬田小文吾・悌         犬川荘介・義
写真が(ライトの加減で)光っちゃってすみません。
名前の右の文字は、それぞれが持つ玉に浮き出る文字、シンボル


曲亭馬琴が文化11年(1814)に刊行、28年掛けて全9しゅう106冊で完結。
途中妻子を失い失明もして、口述筆記で完成させる。

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    犬塚信乃・孝        犬飼現八・信

写真(上)は、足利成氏(なりうじ)館の櫓"芳流閣"(ほうりゅうかく)の屋根上で、
犬塚信乃と、曲者捕縛を命ぜられた足利成氏将軍の家臣犬飼現八が、
死闘を繰り広げる。後々、仲間になる二人・・(芳流閣は上記の琵琶の演奏)

犬山道節は、白井城下で、敵の関東管領・扇谷定正(おうぎがやさだまさ)に近づき火遁の術を使う・この火遁の術・ケレンが見どころ

女と見紛う犬塚毛野は、足利成氏の重臣・馬加(まくわり)大記の館で艶やかな舞と凛々しい武者振りを見せ・・

玉梓の怨霊が祟っていろんな人を実は、その掌で転がしていたお話でした。
長編故に話はとっちらかって、場面場面を楽しむ趣向です。

2015年正月
国立劇場で、尾上菊五郎一座が披露・・
ぜひ、お運び下さいませ。m(__)m



PS ミケとチビの湘南海岸物語のWABIさんより
里親探しkitten001ミケとチビの湘南海岸物語 
里親募集のお知らせです。
http://chigasakineko.blog11.fc2.com/blog-category-24.html

仔猫ちゃんを引き取ってあげられる方おられましたら、
上記リンクまでご連絡をお願い致します。m(__)mではでは・・・
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7月の舞台 円熟の『坂東玉三郎』


*暑中お見舞い申し上げます。*

8月に入り、猛暑、
ミンミンゼミが樹木にへばりついて威勢よく鳴いています。
店先の金魚を象ったお菓子が涼しさを醸してくれます。
日本橋コレド付近にて・・・


7月大歌舞伎


7月28日

修禅寺物語」は
鬱蒼とした樹木が茂り、志半ばで斃れた源氏の武士の
魂魄が彷徨っている様な修禅寺の雰囲気が主人公ともいえるお話。

面打ち師夜叉王が打った頼家の面は死相を表し、
しかし、頼家はその面と姉娘桂を召し連れ、御所に還御する。

その晩、北條が遣わした武者が御所を襲い、召されたその晩に桂は、
業火の中で死んだ頼家の側室比企氏の名、[若狭の局]を賜ったのと引き換える様に、夜叉王の打った面を付けて将軍頼家の身代わりとなって討ち果てる。

役者が抑えた凄みのある芸をすると、とても舞台が引き立つ話です。
岡本綺堂作。


坂東玉三郎が[桜姫東文章]で抜擢した、
2代目市川月乃助(猿之助一門、国立劇場研修生出身)が頼家を務め、
長身で、若い清新な風情がこの人ならでは・・。

市川中車が渋い夜夜叉王を演じる。
幼少期から稽古はしてないので舞えませんが、現代劇めいた新歌舞伎は上手い。
死にゆく桂の苦悶の表情を写しとる、
憑依された様な面打師の心理を巧みに表現する。

父・市川 猿翁と母・浜木綿子が離婚するという複雑な育ちをした、
頭脳明晰な人なので役の性根を掴み、巧みに表現する。
但し、歌舞伎では、ピリッと辛い、スパイス的な評価かな。


比企氏の領地、比企丘陵は秩父の山嶺を背後に控えた雑木林の多い丘陵地で、
比企一族の無念を訴え嗚咽している様な寂しい土地柄で、私の出身地の近隣です。

荒川が県中央を流れ、大水の時は堤防が西側(比企側)に切れる様に造られ、
だから、家は盛り土の上に造られ、石垣で囲われ、
納屋には、洪水の時に乗る舟が吊るされている家が今もある。

頼朝が成人する迄、米を送り続けた乳母[比企の尼]の館で北条政子は頼家を産み、
比企館で育つ頼家は、比企の娘を愛して、その子[一幡]を跡目に据える。

頼朝の死は、新たな外戚比企氏と北條の対立を生み、
頼家が病臥した時に、比企館は襲われ、若狭の局と一幡は焼死する。
回復した頼家をその悲憤と共に、北條は、修禅寺に幽閉する。

比企の尼の手に渡った長男は、実母と情の通わぬ子になってしまったのか?
生みの親より育ての親とか、嫁姑のテーマは
実母なく育った激しい性格が当事者(まさこ)だと、大変なことになります。



「天守物語」
玉三郎の富姫(刑部姫がモデル)を既に幾度も観てきましたが、回を重ねる程に、
舞台は馥郁たる香りを放ち、ふくよかに厚みを増していく。
玉三郎という役者の凄さを実感する。

白鷺城の天守閣の怪異、富姫は、鷹を探して天守の五十層を登ってきた
姫川図書之助(市川海老蔵)と一目で想い合う仲になり、追っ手の侍達に手向かうが
獅子の像が眼を切っ先で潰され、富姫と図書之助の眼も潰れるが、
怪しの術で、獅子の目と共に、二人の眼も開く。

泉鏡花のこの世の人間と異形の者との恋を描いた
湖水に咲く夢幻花のような幻想の世界。

スタンディングオペレーションに応えて、3人が幾度も挨拶をする。
市川海老蔵、問題、幾度もおこした逸材でしたが、役者のオーラは本物です。
この役を月之助で見て見たいが、松竹が許さないかも・・

泉鏡花の作品は「夜叉ヶ池」「海神別荘」「滝の白糸」「高野聖」他ありますが、
「天守物語」がふくよかに豊穣の舞台、一番よいです。


8月2日
一昨夜は、日本橋亭にて、神田松鯉(しょうり)と松のじょうの親子会を聴く。
長丁場だったな~・・長~い「慶安太平記」の由井正雪に掛かるお話。
怪談も良いけど、こんな季節の情景や人の情動を映した旅話が、好きです。

怪談は、一龍斎貞水の立体怪談を9月6日に聞きます。
怖いもの見たさ、好奇心丸出しの自分の資質を私は否定しない!








近松の描いた18世紀大阪猟奇事件



市川染五郎が演じた女殺油地獄(女ごろしあぶらのじごく)は、隠微な感じがして、金で落ちていく与兵衛が、親切な油屋の女将・お吉(おきち)を殺めてしまう修羅場に至る迄の鬼気迫る様と、お吉が油にまみれながら滑り逃げ惑う様は、グロテスクだが魅力的、が、人形芝居[文楽]ではとつとつと、物語の骨格・筋を追っていく。

ステップ家族で育ち、三人兄妹の真ん中の与兵衛が、放蕩息子になって、育ててくれた、母の連れ添いになった番頭上がりの継父に、殴る蹴るをして金をせびる。

勘当されて、心優しい油屋の女将・お吉に借金返済金を借りに行き、殺めてしまう。しかも、両親は、めいめい、お金を持って、お吉の処に行き、息子に渡してくれろと、内緒でお金を渡していた。その、渡された金で足りないと殺しに走る、なんとも救いのないドラ息子の話。

真面目過ぎる継父の実子である妹と、分家で商う堅い兄に挟まり、ステップ家族のなかで息が詰まるのか、道踏み外してしまう次男、現代にもやたらありそうな話ですね~。

もう一つ、教訓は、親切にしても通じない,獣性を持った男は確実にいる。お吉は、母性的であり柔軟に過ぎた。過ぎた親切は命をも差し出す結果に繋がった。現代にもまゝある猟奇事件である。

作者近松門左衛門の描いた世界の感性は、18世紀の大阪と現代と、全く遜色なく似ていて、現代劇かと錯覚してしまう。人とは、あまり変わらないなあと思えます。

「三千両初春駒曳(はるのこまひき)」

2014正月初春歌舞伎菊五郎
新春の国立劇場は、既に獅子舞も鏡開きも終わり、舞台中ほどで撒かれた手拭いもあっちの方に飛んでってしまいました。

三千両初春駒曵(はるのこまひき)

菊五郎が急に年とったような風貌で、団十郎が亡くなってがっくりきたんだろう、70歳で、支え励まし合って芸を背負ってきた、心許せる友人に先立たれるその喪失感は、その年になってみないと解らないだろうと・・やたらそんなことを思った舞台でした。

「三千両初春駒曳(はるのこまひき)」
菊五郎は織田信孝役、父の信長と兄信忠が本能寺で死んだので、家督争いの一方の旗手に奉られるが、自分から家を出て、放浪、紛失したお家の重宝の刀「蛙丸(かわずまる)」を探して歩く。信孝を担いだ柴田勝重(柴田勝家)は、野心家として描かれ、死んだ信忠の幼子三法師を跡目にかついでその後、天下人になった真柴久吉(羽柴秀吉)が忠臣として描かれているのが、不思議・・太閤に敵した忠臣柴田権六勝家(ごんろくかついえ)は死後に逆賊となっている(これも稗史の歴史か?)。原作「けいせい西陽?(はるのとり)」は、寛政6年(1794年)の初演です。結婚し子を持った菊之介が、線が太くなり、逞しく安心して見られる様になりました。こうして芸の技量と心とが親から子に継承されていくのでしょう。

「恋娘昔八丈」

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「大塔宮曦鎧(おおとうのみやあさひのよろい)」

太平記に描かれた世界で、1892年(明治25年)の御霊文楽座で
上演して以来121年ぶりの復活上演・・

前半は六波羅探題(ろくはらたんだい)守護職の髭のオジサンが、
三位の局に艶書を送り袖にされ、怒っている、
後半は、子どもが輪になって盆踊り(?)をする処を、
突如、老武士が子どもの首を討ち取る、
という唐突な筋で、作品としては痩せていてつまらなかった。
しかも皇室が題材だから、
人形の舞台写真の掲載もなく、私には、作品としてはオオペケ!!か。


もう1話「恋娘昔八丈」(こいむすめむかしはちじょう)は、

「城木屋の段」
材木問屋城木屋(しろきや)の一人娘お駒は、
恋人髪結い才三郎(さいさぶろう)がいながら、左前になった家の為に
持参金つきの入り婿をもたされ、嫌で離縁しようとして殺めてしまう。

「鈴が森の段」
刑場に曳かれてきたお駒の助命が間に合い、
赦免状と悪事の生き証人を持参した才三(さいざ)と泣いて喜ぶ。
入り婿と城木屋の番頭は昔の悪仲間で、騙って大名萩原家の茶道具を騙しとった犯人で、その探索をしていたのが家臣の才三郎、
茶道具紛失事件の過程で、父が自害に追い込まれている。



安永4年(1775年)8月に、江戸外記座で初演されますが、
この「お駒才三」から、更に洗練され垢ぬけた、
小悪党「髪結い新三(しんざ)」の話を、幕末の戯作者河竹黙阿弥が描いています。

こちらは、材木問屋白木屋の番頭と恋仲で、入り婿を嫌った娘・お熊を
かどわかして、身代金をだまし取った
小悪党の髪結新三の話

「梅雨小袖昔八丈」(つゆこそでむかしはちじょう)

梅雨小袖昔八丈・髪結新三・勘三郎
中村勘三郎の「梅雨小袖昔八丈」の髪結新三

いなせなちょい悪ッて感じです。
プロフィール

imagica

Author:imagica
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趣味 散歩と文楽と歌舞伎
文楽歌舞伎狂言の非日常性に昇華された人間性を感じます。日々のつれづれを 舞台に投影したり政治に絡めたりして書いています。

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